「やってみる」つもりで手に入れても、宝の持ち腐れになるときがある

モニタリング・相互作用,教師行動学習課題,思考力・判断力・表現力等,指導者

高機能なオーブンレンジを奮発して購入しても、結局、ほとんど温めにしか使っていないということはないですか? 

購入するときにはたいてい「こういう料理を作りたい!」というような自分の生活上の課題は後回しになり、「何か、いいオーブンレンジ、無いかな?」という意識が先に立ちます。つまり、「自分の課題を解決するための方法を選ぶ」ということよりも、「何か、オールラウンドにカバーできそうなもので、課題解決できないかな~」という考え方です。

このとき、自分の生活にマッチしたオーブンレンジが果たしてどれくらいの値段帯なのか、どれくらいの機能がついていれば十分なのかということは、すでに見失った状態になっています。それでも、「とりあえずいくつかの調理メニューを使ってみて、よかったらそれでいい。」と、高価なオーブンレンジに手を出してしまった自分を納得させようとします。

「やってみる」ことを重要視した結果とも言えますが、あとになって「なんか、もったいない買い物だった」と感じるようになる可能性もあります。

一方、販売者は、「オーブンレンジでどのようなことをしたいですか?」と、購入者の課題を把握して、その解決に見合う商品を考えます。ここで購入者が「なんとなく新しいのが欲しいかな~って思っただけです。」などと、自己の課題や購入者としてのゴールイメージがないと、販売者としても根拠がないまま様々な商品を紹介することになります。

そうならないようにするため、販売者はすかさず「ご家族は何名様ですか?」「ふだん、ご家庭でのお食事は?」などの追加の質問によって購入者からいろいろな情報を得て、課題に応じたより適切なオーブンレンジを探してくれます。販売者は、課題解決のためのオーブンレンジをいくつか提示はしますが、購入者が選べるように促すようにしているのです。そして、購入者は、最終的には、提示されたその中から1つを自己決定して、購入するのです。

高価なオーブンレンジを購入しても調理メニューの機能をフルに使いこなせない場合、大抵は宝の持ち腐れになります。買わせたい側の心理としては、「こんなに便利な機能があるので時短ができます」とより高価なオーブンレンジを勧めて収益につなげたいところですが、誰に対してでも高価なオーブンレンジを売りつけようとするわけではないのです。

ヒントは、週2回(月・金)アップロードされます。(令和4年4月1日現在)

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