いちいち、ピシッと整列しているほどの時間はない

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体育の授業では、合図によって集合を促したり、「気を付け! 前~、ならえっ!」などと号令をかけて整列したりします。

ところが、これらの活動は、学習指導要領を見ても各学年の目標及び内容のページには記載されていません。では、なぜ、体育の授業で集合したり整列したりしているのでしょう?

体育の運動学習では、個別最適な学びが進められていても、グループやチームなど学級をいくつかの小集団に分けて行うことも多くなります。そうした小集団での学習が、秩序正しく、能率的に行えるようにするために必要な基本的な動き方を身に付けられるようにする必要があります。これが集団行動です。

集合や整列などの集団行動は、各学年のページに書かれていませんが、「指導計画の作成と内容の取り扱い」に、その記載があります。体つくりの運動遊びや体つくり運動をはじめとして各学年の運動領域の学習すべてで、取り扱うことになっています。そのため、授業の最初や最後に、集合や整列をする活動を取り入れているのです。

しかし、「集合が早くておりこう」「気を付けの姿勢がいい」などと「秩序正しく」を指導者が自分の手柄のようにしたがるためか、集合や整列が、単なるパフォーマンスに過ぎないように見えることがあります。授業中に何度も集合し、そのたびに、きれいにピシッと整列することを強いているようなケースまで散見されます。集団行動を子供にしっかりと身に付けられるようにできる指導者が、必ずしも指導力があるということは、世間の認識ではないの

です。もちろん、体育の授業中に集合する回数は必要最低限にすることが大事です。たとえ集合する際も、「どこにどう集まったらよいか」考えられるようにします。いちいち整列する必要はありません。

幾度にもわたる集合に時間がかかってしまって、さらに整列するまでに手間取っていたとしたら、なんと時間のもったいないことでしょう。子供が学びに使える時間は、限られています。

ヒントは、週2回(月・金)アップロードされます。(令和4年4月1日現在)

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