なぜ全員できるの? ラジオ体操第一

こども,教師行動体つくり運動系,学習指導要領,指導者

ラジオ体操は、かつて一度も学習指導要領に載ったことがないにもかかわらず、誰もがなんとなくできてしまう体操です。ほぼ全員に身に付いている運動と言えます。

もともとは逓信省の簡易保険局が作った国民保健体操がその起源で、戦後になってラジオ体操第一が作られ、栄養不足だった日本国民にとって重要な体操として普及しました。

ラジオ体操を正確に行うことにより短時間で効率的に全身の筋肉を動かすことができる、呼吸機能を高める、ストレス解消になるなど健康の保持増進に絶大な効果があるとされ、当時の各学校で「とにもかくにも、ラジオ体操さえやっておけばいい」と必ず扱われるようになり、国民誰もが知る超有名な体操となったのです。  

ラジオ体操は、かなりのカロリーを消費する体操なので、真剣に取り組むことで体力を高めることを直接ねらえる一方、総合的な体操であるために子供一人一人に応じた体力の課題解決には不向きです。学習指導要領に記載されることがなかったのは、おそらくそのためでしょう。

そのうち、運動する子供とそうでない子供の二極化が進行し、総体的に体力の低下が進んだことなどの要因から体育科の目標が「心と体を一体として捉え…」にシフトチェンジしたこと、それまであった「体操」領域が廃止され「体つくり運動」となったことなどが、「ラジオ体操は、つまんないからやらない」という風潮に拍車をかけました。

こうして体育の授業からほぼ姿を消したラジオ体操。学校では、今や運動会や移動教室などでほんのちょこっと扱われる程度の扱いになったのです。

ヒントは、週2回(月・金)アップロードされます。(令和4年4月1日現在)

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