「見方・考え方」は目的ではなく手段なので「働かせる」のです
平成29年版の学習指導要領から子供たちが「どのように学ぶか」という学びの質を重視した「主体的・対話的で深い学び」の視点での授業改善を図っていくようになりました。
資質・能力を身に付けるためには「深い学び」がキーとなりますが、そのために体育としての「見方・考え方」を働かせた学習過程が求められます。
「見方・考え方」は、目的ではなく、資質・能力をはぐくむための手段ですが、体育の「見方・考え方」とは、①運動の特性に応じた楽しさや喜びがあること、②運動は体力の向上につながっていることに着目して、「する」だけでなく「みる」「ささえる」「しる」などの多様な関わり方について考えることとされています。
2019年、日本でラグビーのワールドカップが行われましたが、そのとき「日本の守りは組織的で作戦がうまくいっているな」と感じたら、それは体育の「見方・考え方」になります。楕円形のボールの回転や軌道に興味があれば理科であり、「なぜ、楕円になったのだろう」とラグビーの歴史に視点が向かえば社会科になります。相手チームとゴールキックの正確さを比較することは算数です。
授業の振り返りで「学びに向かう力・人間性等」を取り上げて、友達と仲よくできた楽しさ、安全に気を付けることの大切さなどを価値付けることによって、「する」以外にも視点が向けられるようにします。
この積み重ねによって「体育って楽しいな」「運動するって大切なんだな」と実感できるようにすることで「見方・考え方」が確かなものになり、資質・能力がはぐくまれることにつながります。