ゴジラは、自分のしっぽの凄さを知っている

こども,子供のからだ思考力・判断力・表現力等,技能,発達,運動遊び

ほかの動物に比べてしっぽのサイズの割合が大きいゴジラは、そのしっぽを巧みにコントロールできないとバランスを崩して転んでしまうばかりか、自分の周囲にある建物を的確に壊すことができなくなってしまいます。

手を使えば、どの建物がどの程度壊れたかを確かめることができます。しかし、ゴジラの手は退化しているので、体の大きさに比して短いのが特徴です。やや退化した手で壊すのは不都合なため代わりにしっぽを使っているのでしょう。

自分の背中側、しかもおしりについているしっぽの動きをいちいち目視できません。ということは、ゴジラは、「このくらいの力でしっぽを振り回せば、この範囲の建物を壊せる。」と分かってやっていることになります。

つまり、ゴジラには、視覚情報から得た環境の認知と連携して自己の体を操作する能力があると言えます。ただ、街の中の歩いていたら周りのビルにしっぽがぶつかっちゃった、というわけではないようです。  

プールの壁を蹴る、踏切板に合わせる、長なわを見て跳ぶ、鬼から逃げるなど、自己の周囲の環境を認知して自己の動きを決めることを体育では要求されます。壁や踏み切り板は動きませんが、長なわや鬼は動くので難しくなります。

しかも、一定のリズムがある長なわに対して鬼はどう動くか分からないので、より高度な認知が必要となります。バットで打つ時も、自分の体の一部としてバットを認知できるかどうかが求められてきます。

これらは、多様な運動経験から磨かれていく能力です。

キャリーバッグを引いて歩くときも、周りの人にどの程度の影響があるかを認知できる能力が無いと、自分の引いているキャリーバッグがまさか周囲のじゃまになっていることに気付きません。即ち、認知と行動が伴わない人間の誕生という“非常事態”となります。

ヒントは、週2回(月・金)アップロードされます。(令和4年4月1日現在)

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