かかわり合いの評価は、かかわりを振り返る
体育科の目標に「見方・考え方を働かせ、課題を見付け、その解決に向けた学習過程を通して…」とあります。これには、運動への関心や意欲、自ら考えたり工夫したりする能力、運動の技能などとともに、他者に伝える力を養うことも含んでいます。かかわり合って運動することは、全学年で「思考力・判断力・表現力等」の中で指導内容となっているので、必ず指導し、必ず評価しなければなりません。
「学びに向かう力、人間性等」の指導内容も1・2年生では、きまりを守り誰とでも仲よく運動することを通して協力することや公正な態度を身に付けていきます。3・4年生では、友達の考えを認めたり、励まし合って取り組むようにしたり勝敗を受け入れられるような態度を養ったりしていきます。5・6年生になると、自己の最善を尽くしながら仲間と助け合って運動できるようにしていきます。
授業では、ペアやグループを作って友達のよい動きを見付けられるようにしたり、チームの仲間に考えたことを伝える時間を設定したりします。このとき、子供は遠くの友達のプレイも意外とよく見ていて、「あれをやってみよう!」と考えて運動していることが結構あります。直接ではなくても、子供たちは「かかわり」をしているのです。
このような「かかわり」は、学びの振り返りをするときに「○○さんのを見て、こんな感じでやってみたらできるようになりました。」という発言を引き出すことで「かかわり合い」になります。このほか、準備や片付けを友達と一緒に行ったり分担された役割を果たしたりすることも指導内容です。
「学びに向かう力・人間性等」に示されている内容は、「友達の考えを認める」のほか「きまりを守る」「誰とでも仲よく」「最善を尽くす」といった道徳的なものが多いですが、体育科の学習内容として位置付いています。このことからも「特別な教科道徳の評価はできない。」という考え方は、あり得ないことが分かります。