「遊び」を学ぶとは、どういうことか
小学校で「遊び」を学ぶのは、生活科、音楽科、図画工作科、そして体育科です。
第1・2学年では運動遊びを指導しますが、どの体育の本を見ても様々な運動遊びのイラストが何十、何百と掲載されています。その全てを授業で取り上げることは、不可能です。そのイラストのとおりに遊ばせるのは、もはや「遊び」になっていません。
特に、その名称さえもよく分かりにくい「多様な動きをつくる運動遊び」は、運動全般に通底するような体の基本的な動きを取り上げるため、水遊びで宝拾いや輪くぐりをしているのに比べ、そこで扱う動きの範囲がべらぼうに広くなります。また、子供に「工夫してごらん」と問いかければ、思いもよらないスーパープレイがいくらでも飛び出すのが、運動遊びの特性とも言えます。
「多様な動きをつくる運動遊び」は、バランス、移動、用具操作、力試しの4つの内容で構成されていますが、決まった動きがありません。45分の授業で「初めにA、次にB、その次にC」というように運動遊びを次から次へと指導する必要はありません。指示されて動くだけでは、運動遊びにはならないからです。
移動する運動遊びであれば、まず「這う」「歩く」「走る」「跳ぶ」「はねる」基本的な動きを経験させてレパートリーを広げます。その後、リズム、方向、高さ、速さ、人数など楽しむための要素を加えて運動遊びを工夫させ、無限に繰り出される子供のスーパープレイにとことん付き合いながら、バリエーションを増やすようにしていきます。