ついつい跳んでみたくなるトランポリン

こども,子供の学び技能,発達,遊び

体を上方へ引き上げるのと同時になわを下方へ動かす技能を伴うなわ跳びと違ってトランポリン。ジャンプするだけで脳内のドーパミンやセロトニンの分泌を促すので、揺れを気持ちよく感じる人間の本能が刺激されて跳び続けたくなります。

しかし、なわ跳びなら1分間続けられもトランポリンの1分間は、かなりの体力を消耗します。ジャンプするたびに着地点を目視により探さなくてはならず、次のジャンプのためにどの程度の反動をつけたらいいか脳が常に信号を送り続け、体幹も引き締めなければバランスが崩れてしまう運動だからです。

こうした動きの繰り返しで脳と体が一体化し、感覚統合を引き起こします。作業療法でもトランポリンを使うケースがあり、脳に適度な刺激を与えることで落ち着きがない症状を和らげる効果があることも知られています。授業中姿勢が悪く頬杖をついたり、ぴょんぴょん跳びはねたりする子供に、トランポリンで毎日遊ばせたところ改善されたというデータさえあります。

平衡感覚がうまく育っていなかった子供は、姿勢を保つ情報が途中で途切れてしまうので、自分でそれに気付かない限り自身で立て直すことができません。しかもその平衡を保っていない状態を情報不足と脳が認識し、これではいけないとさらに強い刺激を脳が求めた結果、立ち歩きやぴょんぴょん跳びはねるような行動につながるのです。  

なお、トランポリンは、学習指導要領には登場しませんが、ねらいを明確にしておけば「体ほぐし」や「多様な動きをつくる運動(遊び)」などに位置付けて指導することは可能です。でも、学校では、トランポリンなんて買えないですかね・・・。

ヒントは、週2回(月・金)アップロードされます。(令和4年4月1日現在)

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