子供の学びは、いつも仮説と検証の繰り返し

子供の学び思考力・判断力・表現力等,発達,遊び

なぜ、子供は、同じことを何回も何回も繰り返すのでしょう。「あれ? まだ、やってる。」「よく、飽きないな~。」と感じたこと、ありませんか?

そもそも子供は繰り返すことが基本的に好きです。繰り返している間、自分が「どうやったらできるか」仮説を立ててハラハラドキドキしながら検証しているのでしょう。もしも、うまくいかなかったら、「よしっ。今度は、こうやってみたらどうかな?」と検証の結果に基づく新たな仮説を立てて再び検証を繰り返していきます。

そして、1回できたら「あ、できた! これで、よかったのか。」と自分の仮説が立証されてますます楽しくなってきます。しかし、「まだ、確実にできるのか、分からないぞ。」という不安に駆られ、成功した仮説に基づいてさらに繰り返し検証し、それを確実にしていくのです。こうした学びには、自己決定と有能感が常に存在しています。

このように子供が運動に夢中になっているときは、研究所にいる科学者と同じような頭の働き方が生じているのではないかと考えられます。科学者も何か法則を見付けたり発明したりするようなときは、「こうやったら、こんな結果になるだろう。」「こうしたら、さっきと同じことが起こるんじゃないかな?」など半ば閃きのような仮説や根拠に基づいた仮説を立て、「とにかく、実際やってみよう。」と実験や観察を繰り返します。このように、仮説を立てて検証するという作業をずっと繰り返して、新しい発見をしているわけです。

子供が「こんな感じかな」と何度も何度も微調整しながらチャレンジしている姿が、「さっきから同じことを繰り返してばかりで、少しもできるようになっていない。」「同じ動きばかりで発展性がなくて、つまらないのではないか?」と見えたとしたら、それは、大人目線というフィルターがかかっていて曇っている状態で子供を見ているのです。実は、子供自身は、自己の仮説に基づく検証の繰り返しの中で、少しずつ変化を発見している可能性が大いにあります。大人目線からだけでは、真の子供の学びを読み取れません。

「時間を取って動きをクラス全体で共有したのに、子供がその動きに取り組まないで、さっきと同じようなことをやっている。」のは、結局、堪能するまではその探究心がおさまらないからですが、それこそが主体的な学びの姿なのではないでしょうか。

ヒントは、週2回(月・金)アップロードされます。(令和4年4月1日現在)

最新ヒントのメール配信をご希望の方は、こちらから登録できます。