ゲームの規則を工夫する余地がある学びを実現する
1~4年生に示されているゲーム領域は、規則を工夫したり作戦を立てたりすることを重視しながらゲームを楽しくしていくことが学習の中心となります。
そのため、細かい規則が最初から決められていると、それ以上の規則を工夫する余地がなくなり、ゲームを楽しくしようという発想が生まれません。
1年生で扱う「鬼遊び」で最も簡単な規則は、鬼が一人の場合になります。一人の鬼の動きに合わせて逃げればいいからです。
このままゲームを始めようとすると、子供たちは「どこまで逃げて、いいんですか?」と必ず質問してきます。鬼から逃げ切れそうな場所を知っているからです。
逃げられる一定の区域を決めてしまうと、子供たちが初めのうち考えていた「どこまでなら逃げられるのかハラハラドキドキ感」がなくなります。軽~く「どこまでにしようかな~。」などと子供たちに投げかけながら、初めはなるべく区域をわざと広めにしておきます。鬼につかまらない区域を確認したり、逃げ切りたい気持ちを叶えたりするためです。
このままゲームを始めようとすると、子供たちは「鬼につかまったら、どうするんですか?」と必ず質問してきます。とりあえず、「鬼にタッチされてしまったときは、う~ん、どうしようかな~。などと子供たちに問いかけながら、朝礼台のところにいる等一定の区域の外へ出ることにしておきます。
これ以上、子供たちの質問を受けていると、質問コーナーだけで授業が終わってしまいそうになります。つまり、最初に提示する規則は、「鬼の人数」「逃げる区域」「つかまったとき」の3つだけです。
これら3つの規則では、ほとんどの子供は、鬼遊びを始めることができます。何回やっても逃げ切れることが分かると、次第にハラハラドキドキ感は無くなり、鬼遊びがつまらなくなります。そこに規則の工夫をする必然性が生まれるのです。
3つの規則に対応する工夫としては、「鬼の人数を増やす」「区域を狭くする」「つかまったあと誰かにタッチされれば復活できる」などが考えられます。しかし、規則を一気に変えてしまうと混乱するので、ハラハラドキドキ感を維持できるよう少しずつ工夫していきます。