ポートボールを基にした易しいゲーム

マネジメント・直接的指導,学習内容ゲーム,ゴール型,学習指導要領,学習課題,思考力・判断力・表現力等

戦後、昭和22年度に学校体育指導要綱(このとき『要領』ではなく『要綱』でした。)ができたとき、高学年の内容に示されていたポートボール。みなさん、プレイした経験があるでしょう。

その後の学習指導要領でも低学年のドッジボールと並んで、小学校で必ず学習すべき内容とされていました。そのため、「ああ、台の上にゴールマンがいるやつでしょ。」「私は、背が高かったからガードマンばっかりで、あんまり面白くなかった。」などの思い出があるでしょう。

ドッジボールは、ボールをよける動作ばかり身に付くことから体育の内容から完全に消え去ったのに対して、ポートボールは、学習指導要領そのものでなく解説の中の例示として3・4年生のゴール型ゲームにかろうじて残っています。

「ポート」は、そもそも港(Port)のことで、ゴールを動かないポートに見立てて競い合うゲームです。船がボールということになるでしょうか。ボールがうまく港に入ればOKというわけです。

ポートボールが初めて登場して2年後の昭和24年学習指導要領体育編(試案)では、「紅白両組に分かれ、(約十名くらいずつ)ボールをパスし相手をさけながら進んで、台上に立っている味方の主将にボールを渡して得点するゲームである。」としています。

その後、「主将でなくゴールマンとして交代制にする」「ポート近くに守備専門のガードマンを置く」などの規則の工夫が広まりました。

しかし、いくらガードマンが頑張っても台に乗っているゴールマンへのシュートは容易に決まってしまいました。ゴールマンもただキャッチするだけでほとんどの時間を立っているだけで動かないため、すべての子供が運動の楽しさに触れられるような体育を求める時代にそぐわなくなってきました。

ゴール型ゲームの例示の一つとなっているポートボールでは、「ゴールを固定する」「ゴールマンを置く」などのポートボールっぽい規則にしないことが大事です。そこから、誰もが楽しめるように子供自身が規則を工夫していけるようにするなどして、ゴール型ゲームの特性に触れながら資質・能力を育んでいくことになります。

ヒントは、週2回(月・金)アップロードされます。(令和4年4月1日現在)

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