上から目線にならないような立ち位置とは?

マネジメント・直接的指導,教師行動思考力・判断力・表現力等,指導者,支援,発達

学校の廊下に掲示してあった家族の肖像画。以前は、母の日だから、父の日だからという理由を付けて親の顔を描かせていた時代もありました。絵の具やクレヨンを巧みに使って顔を描くその技法は多彩です。この子供たちの描く肖像画は、必ず鼻の穴が誇張されて描かれるという特徴があります。

子供は、「うんこ」と並んで「鼻くそ」「鼻毛」などの言葉を好む傾向にあるので、鼻の穴にもそれに近い感覚をもっているはずです。鼻の穴をぴくぴく動かす動きにも過剰に反応し、ゲラゲラ笑うほどです。しかし、鼻の穴が存在していることも事実で、そのため、子供たちは好んで鼻の穴を描くように思考回路が働いているのでしょう。「そんなに大きくないでしょ!」と怒りたくなるぐらい、黒のクレヨンでぐりぐりと鼻の穴を描いているときの子供は、得意満面に見えます。

子供にとって、大人の鼻の穴は大きく見えています。いつも大人を下から見上げているからです。子供にとって自分より背の高い大人の鼻の穴は、大人同士が会話するときに見ているような鼻の穴には見えず、顔の真ん中に2つの大きな黒い穴がドーンと見えているのです。このことは、子供が常に、大人の上から目線にさらされているとも言えます。

運動学習では、子供が椅子に座って学ぶことはなく、指導者の話を立ったまま聞くか、視覚情報が見られるようにするために地面や床に座るなどすることになります。このとき、椅子よりも高低差があるため、子供はより上から目線を感じることになります。先頭に並んでいる子供ほど、下から見上げるような恰好になります。

そうなると、指導者の言葉が子供の頭の上をスルーしてしまい、子供もだんだん首が痛くなって「自分に言ってるんだ。」という意識が薄くなってしまします。子供が座っているときは、指導者も立膝くらいの高さで、子供目線でコミュニケーションするといいでしょう。

ヒントは、週2回(月・金)アップロードされます。(令和4年4月1日現在)

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