陣地を取り合うゲームに鬼遊びでの学びが転移する
1・2年生で扱う宝取り鬼のように、人がゴールに入ることで得点できるゲームから、3・4年生では、ボールがゴールに入ることで得点となるゲームを扱います。
以前は、「バスケットボール型」のポートボールや「サッカー型」のラインサッカーなど「ボールだけがゴールに入る」ゲームばかりでした。そこでは、パスやシュートなどの技能が伴わないことが多かったためゲームの中でその技能が発揮されず、子どもにとって一気にレベルアップした学習になっていました。
そのため、平成20年版の学習指導要領から、バスケットボールやサッカーなどの種目主義に代えて、ゴールに向かって攻めることを競い合う「ゴール型ゲーム」となりました。陣地を取り合うことで得点できるタグラグビーやフラッグフットボールを基にした易しいゲームも扱えるように改訂されました。シュートの技能が無くても、プレーヤーがボールをゴールに持ち込みさえすれば得点になるゲームです。
しかし、これも平成29年版からは、3・4年生の「ゴール型ゲーム」においては「陣地を取り合うゲームを取り扱うものとする」となり、必修扱いになりました。陣地を取り合うゲームは、1・2年生で経験した「鬼遊び」により近い運動特性があります。
タグラグビーは「前にパスができない」規則にすると一見難しそうなゲームに思えますが、自己中心的な1・2年生が前にしかボールを進めようとしないのに対して、3・4年生ならコートのサイドからの攻め方を見付けることができる期待が持てるゲームになっています。
この攻め方が転移して、ラインマンを効果的に使ったラインサッカーなど、ほかのゴール型ゲームにつながっていきます。なお、5・6年生の「ゴール型」は、「バスケットボール及びサッカーを主として取り扱うものとする」「これらに替えて変えて…タグラグビー、フラッグフットボールなど…」とされているので、仮にボールを使った陣取りゲームを取り上げるにしても、その扱いは「主として」ではなくなります。