ラケット使って打ってみたくなる
平成29年版学習指導要領解説に例示として3・4年生、5・6年生に登場したバドミントンやテニスが加わりました。
それまでのネット型が、ソフトバレーボールやプレルボールなどのチームゲームだけであったのに対して、1人または2人での運動を取り上げてもよいとするものです。
ラケットを使うことになるので、手で直接ボールを扱うのと違い、腕の長さ+ラケットの長さによってボールを捉える技能が要求されることになります。しかし、この新たな例示は、小規模校向けにつくられた内容であり、チームが組めない人数しかいない場合に、バドミントンやテニスを扱ってもよいという意味合いなので、すべての児童に履修させるものではありません。
ベースボール型ゲームは、3年生で初めて学習するので、ボールをフェアグランド内に打つことが苦手な児童への配慮が、どうしても必要になります。そのため、「打つ」代わりに「蹴る」ことで攻撃するキック・ベースのようなゲームをまず扱うことで「攻撃してから走る時間と守備側のプレイの時間」を競い合う特性を学んで身に付けた能力を、その後の「打つ」ゲームに転移していくように計画していきます。
そこでも、初めからバットで「打つ」ことを想定せず、より打ちやすいようにラケットや大きめのバットを使ったり、それらを選んだりできるようにするなどの配慮が求められます。 ベースボールと聞くとバットを使わなくてはならないと思い込みがちですが、身に付けたいことは、バットで打つ技能でなく、ベースボール型ゲームを楽しめる能力であることを忘れてはなりません。