学習指導に弾力性をもたせた指導と評価の計画

マネジメント・直接的指導,教師行動学習指導要領,指導者,評価

体育科の指導内容は、2学年ごとのまとまりで学習指導要領に示されています。小学校の場合、同じ先生が必ず2年間担任する保証はないため、2年間を見通した指導計画を明確にしておかなくてはなりません。

学習指導要領には、偶数学年としてのゴールが示されているので、そうなると奇数学年でどのような指導をしておくかが重要です。「5年生と6年生の短距離走、どこが違うの?」と聞きたくなるような、全く同じ学習をしているケースさえ見られます。もし、2学年にわたって指導する計画なら、評価規準を設定したとき、5年生で何を評価するのかを明確にしておきます。

1・2年生の器械・器具を使った運動遊びであれば、例えば「跳び箱とマットは、難しいから1年生ではやらない」という2年間の計画も可能と言えます。「1年生のときに固定施設と鉄棒、2年生では跳び箱とマットだけを扱う」計画も理論上アリです。しかし、この場合には、固定施設と鉄棒の指導内容を1年生のうちに身に付けられるようにしておかなければなりません。

このほか、3・4年生の「走の運動」のうち3年生では小型ハードル走をやらない、5・6年生の「陸上運動」のうち6年生では走り幅跳びをやらないなど、取り上げる運動を弾力的に扱ってもOKということになります。 また、3年生で「器械運動」に時間を多く充ててこれを重点的に学習し、4年生では「走・跳の運動」に焦点を当てて重点的に扱い、「器械運動」の時間を減らすまたは扱わないことも可能となっています。

しかしこれは、雪遊びやスキーを指導計画に入れなければならないような地域特性がある学校に対応するためのもので、制度上の極論と言えます。3・4年生のゲームに「テニスを基にした易しいゲーム」があるのも小規模な学校にも応じられるようにした例示であって、どこの学校でも取り上げるわけではありません。学習指導要領は、全国どこの学校もこれに従って教育課程を組むので、このような記載になってるのです。

ただし、「体つくり運動」については、どの地域の学校も2学年にわたって指導するので、取り上げる運動はいろいろでも、必ずすべての学年で学習します。

ヒントは、週2回(月・金)アップロードされます。(令和4年4月1日現在)

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