「だめっ!」って言われてるのに、どうして縁石に乗ってみたくなるの?

こども,子供の学び技能,発達,遊び

縁石は、車道と歩道との境界線に置かれ、安全地帯の目印として敷かれるコンクリートなどで作られた棒状の塊の総称です。多くの道路に設置されているこの縁石ですが、場所と状況が許せば、大人でも乗ってみたくなる不思議さがあります。

子供たちにとって縁石は、単なる交通安全上の人工物でなく「落ちないように遊べる可能性がある」と捉えられることがあります。「ちゃんと歩きなさい」という指示を上回る魅力を発信していると考えられます。

バランスを取りながらどこまで歩けるかに挑戦したくなるのは、「落ちても、たいしたことがない高さ」と判断できているからです。また、その程度の高さであっても「人より、ちょっと高いところから見た景色の違い」や、都合のいいルールを作ることによって「自分は、縁石から落ちるような失敗をしない」という優越感さえも味わえるのです。

しかも、縁石の上を歩くときにはある程度の集中力が試され、ぼーっと歩いていると生い茂ってはみ出している枝があるのに気付かずに痛い目にあうというハラハラドキドキ感も味わえます。枝がじゃまする状況下にあるときは、「ここは、歩かなくていい」という自己中心的なルールを作ればすみます。

しかし、この縁石は、誰にでもこのような楽しみ方を発信しているわけではありません。同じものが目の前にあっても、経験の違いによって受け手の感じ方が違うからです。現に、やっと歩けるようになった幼児にとっては、縁石の上を楽しそうに歩く小学生たちを「縁石って、何がおもしろいんだ?」という目で見ているに違いないのです。

ヒントは、週2回(月・金)アップロードされます。(令和4年4月1日現在)

最新ヒントのメール配信をご希望の方は、こちらから登録できます。