リレーで学ぶ内容は、学年によってどう違うのか
どの学年でも取り上げることができるリレーですが、その内容はどこが、どのように違うのでしょうか。「低学年だから、距離を短くしてあげましょう」という違いでしょうか?
それぞれの学年でリレーを通して何を学ぶのかを明確にしておかないと、一人が走る距離が違うというだけで学習させてしまいます。
1・2年生では、折り返しリレーの「お迎えタッチ」から始まり、最後には「追いタッチ」になるようなコース設定にします。また、ダンボールや輪などの低い障害物を置いてもOKです。「走の運動遊び」だからこそできる学習です。
これが3・4年生になると、周回リレーとなり、テークオーバーゾーン内でのバトンパスやコーナーの走り方などが課題となります。小型ハードルのような障害物を置いてリレーをやってははいけません。もう、運動遊びは”卒業”しているからです。
リレーに関してはどの学年でも競走して「勝敗を受け入れる」ことが内容として示されています。3・4年生までは、タイムを計らない代わりにほかのチームとの競走が中心課題となります。しかし、5・6年生では、これ以上の決定的な違いが生じます。
陸上運動として学ぶ5・6年生では「記録への挑戦の仕方」も課題となるため、自分の走り方やチームのバトンパスの技能を高めることで過去の自分のチームの記録との“競争”をするようにしていきます。5・6年生のリレーで「○○チームに勝った~。」と言っているようでは、陸上運動の学習になっていないのです。
そのかわり、減速の少ないバトンパスができるようチームごとに記録をとるなどの学習環境を整える必要があります。クラスの全チームが1レースの中でリレーをやっては、単なる「お楽しみ会」になってしまいます。