器械運動、5・6年生の基本的な技って、何ですか?
器械運動の技能は、「基本的な技」と「発展技」から構成されています。

しかし、これらの考え方をただしく理解していないと、苦手な子も難しい「発展技」に挑戦しなくてはならないのかという悩みを抱えることになります。学習指導要領解説の3・4年生のページには、カッコ書きで発展技が例示されているからです。
学習指導要領では、3・4年生では「基本的な技をする」、5・6年生に関しては「基本的な技を安定して行ったり、その発展技を行ったり」となっています。整理すると、3・4年生で扱う内容が「基本的な技」ということになり、5・6年生で扱う技は、3・4年生で学習した「基本的な技」を「安定して行う」ことがまずあって、「発展技」も扱うことになります。
しかし、学習指導要領解説を見ても5・6年生のページに「基本的な技」の記載はありません。「基本的な技」は3・4年生のページにしか書かれていないので、5・6年生のページだけ読んでいたのでは安定して行う「基本的な技」が何かが分かりません。
つまり、5・6年生では「発展技」から学習するものと誤解しやすい構成になってしまっているのです。
小学校で学ぶ「安定した技」が中学校では「基本的な技」となります。5・6年生のときに「安定した技」を身に付けるために、器械運動の楽しさを広げる手立てとしてむやみに新しい技に挑戦させるのではなく、できる基本的な技を繰り返したり組み合わせたり、ペアやグループで調子を合わせて取り組んだりできるようにしていきます。