開脚跳びに似たような感じの動きを生み出す「馬跳び」
伝承遊びにもなっている「馬跳び」は、友達がいればどこでもできる手軽な運動です。
この馬跳びは、その後の跳び箱運動につながる重要な運動遊びです。肩に体重が一瞬かかり、その重さを支え、肩を中心として体重が前のほうへ移っていくまでが、跳び箱の動きと似たような感じがするからです。
しかし、馬跳びができても開脚跳びがすぐにできるわけではありません。友達の体の幅を考えて跳べる安心感に比べて、跳び箱は大きい上にぶつかると痛いことが分かっているからですが、それ以上に跳べない理由は、両者の動きの構造に決定的な違いがあるからです。
馬跳びは、両足を着いたまま友達の背中に両手を乗せた状態から「よっこらしょ」と体を支えるようにすることができますが、跳び箱は、踏み切りから着手までの間に第1空間が生じるところに大きな違いがあります。
助走してきても踏み切りで止まってしまうのは、この第1空間で体全体がどんな感じがするか、そこから着手する瞬間にどんな感じがするのか分からない不安から生じています。
馬跳びで経験した動きを跳び箱でできるようにするには、踏み切り板の代わりに跳び箱などを置いて踏み切る位置を高くして最初から腰の位置を上げておくようにする方法があります。
この姿勢なら両足を着いたまま両手を跳び箱の上に乗せることができるので、馬跳びと似たような感じで跳び箱を跳ぶことができる可能性が高くなります。