スポーツを運動として捉え直す

こども,マネジメント・直接的指導,学習内容学習指導要領,運動の特性,運動遊び

昭和52年版以前の学習指導要領は、「運動することによって鍛える」ことが中心で、運動の必要性を知的に理解させることによって目的を達成しようとしていました。

主に1・2年生の子供たちには、「遊び」の概念から指導していましたが、それは、「とにかくガンガン遊ばせて体を鍛える」というような考え方でした。運動が楽しいかどうかは関係なく、運動することは体力つくりや人間形成の手段でしかありませんでした。

これが昭和52年版からは、「運動は、楽しいものである」ことを身に付けられるように目標が変わりました。「運動が楽しい」ことが、子供たちの日常生活だけでなく生涯を通じて運動を継続する態度へと発展すると考えたのです。運動すること自体が目的に変わり、「子供が感じる運動の楽しさとは、何か」が大いに議論されました。

しかし、「運動が楽しい」と感じるポイントは、子供の発達的特性によって大きく違っていました。器械運動や陸上運動など多くの内容は、大人のスポーツを子供用にアレンジしていただけなので、「スポーツとしての特性」に基づいて記録への挑戦やフォームの克服が誰にとっても楽しいこととされていました。

5・6年生ならそれでもよかったのですが、1・2年生が「運動が楽しい」と感じるポイントは、記録やフォームではありませんでした。彼らは、運動自体が楽しかったのです。

そこで「スポーツの特性」でなく、運動する子供の立場から「運動の特性」に見直す作業が必要になりました。これが、“運動遊び”の考え方です。

ヒントは、週2回(月・金)アップロードされます。(令和4年4月1日現在)

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