「いろいろなリズム」「一定のリズム」
2学年ごとのまとまりで示される学習指導要領なので、体つくり運動以外は、2学年間でどのように取り扱うかは明確に区別されていません。小型ハードル走で「いろいろなリズム」と「一定のリズム」を同時に扱うこともできますが、あえて、2学年間にわたって扱うときは、どうしたらいいでしょうか?
主に3年生の時には、ダンボール箱やペットボトルなどいろいろな小型ハードルを使っていろいろな置き方でコースを作って走り越える学習をします。つまり、「いろいろなリズム」で走る学習です。
子供たちは、「同じ間隔で置いた方が、走りやすいはずだ」ということに薄々気付いてはいます。それでも、小型ハードルの種類をいろいろ使うような制約を意図的にかけて、必ずしも同じ間隔に並べればいいというコースづくりにならないような仕掛けがポイントです。いろいろなリズムで走ることもまだまだ楽しめるのが3年生の段階です。
4年生では、同じコースであれば同じ形状の小型ハードルを用いてコースづくりが工夫できるようにしていきます。ここでは、「一定のリズム」で走る学習になります。
3年生の時の学習経験が転移するのでコース作りはお手の物です。はじめこそ、いろいろな置き方をするかもしれませんが、「自己に合ったリズムで走り越える」ねらいに立ち返ることで「一定の間隔で同じ小型ハードルを置いたほうが、いい」という結論に導いていきます。
一定の高さの小型ハードルが一定の間隔で置かれている様々なコースの中から、自分が一定のリズムで走り越えやすいコースがどれかを探っていくことが学習の入り口となります。
5・6年生の「ハードル走」と違って合理的な動きを追究しない走の運動での「小型ハードル走」では、動きに意識がそれほど向かないため、記録(タイムなど)を取ることは、あまりしません。そのかわりに、スタート位置のハンディを付けて小型ハードル走とかけっこを並走して競い合うなどの競走する活動を通して、一定のリズムで走り越える動きを楽しみます。