ムカデの足の動きは、どのような情報処理によって成立しているのか

マネジメント・直接的指導,子供のからだ学習指導要領,技能,指導者

幸せに暮らしていたムカデに、カエルが尋ねました。「とてもスムーズに歩けてすごいね! どの足をどういう順番に動かしているの? 教えて」と。足の動かし方なんて意識したことのなかったムカデは、考えました。「10番目の右足をこうやっている間に体をよじって少しずつ11番目の左足を動かして、次の12番目の…、ええと…、あれ???」

ムカデが、足の順次性をうまく働かせて歩くためには、とんでもなく巨大な脳が必要になります。しかし、ムカデには、そんな脳の持ち合わせはありません。その代わり、既に膝を曲げ終った足が隣の髄節に信号を発する仕組みがあります。それぞれの足に小さな脳があるようなものです。そのため、足を交差することなく順次前方へ送り出すことができるのです。カエルの質問に答えようと頭で考えると歩けなくなってしまうのは、当然と言えます。

過去に運動会でよく行われたムカデ競争は、1つの髄節を一人が担当していることになります。歩いているときに髄節間の信号伝達が失敗すると転倒という悲劇が待っています。勝つのは、信号伝達の方法を確立したチームであり、その方法としては、声を掛け合うことが最も効果的です。ただし、同じ側の足を同時に動かせばよいので、本物のムカデの歩き方のほうがはるかに複雑ということになります。

人は、ムカデより大きな脳をもっていますが、それでも多くのことを同時に処理するのには限界があります。「振り上げ足をまっすぐ上げて、反対の手をグイっと前に伸ばし、体を前傾しながらスピードを落とさないようにして…、ええと…、???」

授業で技能のポイントをたくさん提示されても、ねえ…。

ヒントは、週2回(月・金)アップロードされます。(令和4年4月1日現在)

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