「教える」でなくて「伝える」が学びの内容です

こども,子供の学び,学習内容協働的な学び,学びに向かう力・人間性等,学習指導要領,思考力・判断力・表現力等

授業改善の視点の一つとして、子供が他者との対話を通して、自分の思考を広げたり深めたりするなどの対話的な学びがあります。

体育科の目標には、思考力・判断力・表現力等に「他者に伝える力を養う」とあります。これは、自分の課題について考えたり判断したりしたことを、言葉や文章で表したり、体育科らしく動作で表現したりする内容です。自分がそう考えた理由も添えて友達や先生に伝えられれば、おおむね目標達成です。

よく、子供同士の教え合いと言われ「教える」が指導案に記載されることがあります。授業の協議会でも「技能の低い子供が『教える』なんてできないから・・・」ということが話題になるほどです。しかし、学ぶべき内容は「教える」ことでなくて「伝える」です。運動が苦手な子供でも「伝える」は身に付けることができるということです。

例えば、器械・器具を使っての運動遊びでは、友達のよい動きを擬態語や擬声語で表現したり、学習カードに書いたりします。これが3・4年生の器械運動になると、友達の手の付く位置や着地する位置などを見て動きのできばえを友達に伝えます。5・6年生では、グループの中で観察し合ったり、技のコツを文字や絵で書いたりして伝えます。

友達から伝えられたこれらの情報を生かすかどうか、そこにもまた学習が存在します。そのキーワードは、「友達の考えや取組を認める」です。「認める」学習は、3・4年生及び5・6年生の学びに向かう力・人間性等の内容に示されています。

友達から伝えられた考えを認めることで、自己の課題に気付いたり解決の方法を修正したりして、学習をすすめていきます。この学びは、主体的に学習に取り組む態度の評価のうち、「学習を調整しようとする」側面に該当します。

なお、1・2年生には「認める」が示されていませんが、「仲よく」の中に協力することが含まれているので、趣旨は「認める」と同じと読み取ることができます。

ヒントは、週2回(月・金)アップロードされます。(令和4年4月1日現在)

最新ヒントのメール配信をご希望の方は、こちらから登録できます。