身に付けた資質・能力の汎用性を生かす

マネジメント・直接的指導,学習内容,教師行動学びに向かう力・人間性等,学習指導要領,思考力・判断力・表現力等,態度

5・6年生の各運動領域の目標(1)は、いずれも「次の運動の楽しさや喜びを味わい、その行い方を理解するとともに~」であり、知識については共通です。

しかし、技能の部分については、「マット運動では、回転系や巧技系の基本的な技を~」であり、「クロールでは、他や足の動きに呼吸を合わせて~」、「フォークダンスでは、日本の民謡や外国の踊りから~」となっています。運動の特性に基づいて内容が明確化・体系化されているので技能の目標に違いが生じるのは、そもそも当たり前です。

(2)思考力・判断力・表現力等、(3)学びに向かう力・人間性等については、運動領域ごとに多少の文言の違いこそあれ、ほぼ共通とみて間違いありません。ですから、技能に関する内容を除いては、学習で身に付けたことが、ほかの運動領域に応用することができるのではないかと期待が持てます。

このことは、ハードル走で身に付け課題解決の方法や取り組み方は、平泳ぎの学習にも転用できそうだということです。つまり、これらの資質・能力には汎用性があると言えます。

同じ運動領域の内容であったら、汎用性を生かすチャンスがここから始まります。跳び箱運動で学んだ自己の能力に適した課題の解決の仕方は、その後のマット運動の学びに使えるはずです。グループの中で互いに観察し合って見付けたことを伝えることや、器械・器具の準備や片付けなど分担された役割を果たすことなども、器械運動に共通の学習内容です。

このような汎用性のある学びは、身に付けた後に使っていかないことには宝の持ち腐れになります。跳び箱運動のあとにマット運動を学ぶのであれば、同じような学習計画にする必要はなく、跳び箱運動で身に付けた資質・能力をマット運動でも活用できるように、「内容のまとまりごと」を視野に入れて計画すべきなのです。カリキュラム・マネジメントの最小ユニットともいえるでしょう。

ヒントは、週2回(月・金)アップロードされます。(令和4年4月1日現在)

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