ハードル走で身に付ける技能は、「振り上げ足」か「抜き足」か?

モニタリング・相互作用,学習内容ハードル走,学習指導要領,技能,指導者

5・6年生のハードル走の技能の目標は、「ハードルをリズミカルに走り越えること。」です。

この技能が身に付いたかどうかを判断する評価規準としては、例示に示されている3項目が考えられます。

・ 第1ハードルを決めた足で踏み切って走り越えること。

・ スタートから最後まで,体のバランスをとりながら真っ直ぐ走ること。

・ インターバルを3歩または5歩で走ること。

40~50m程度のハードル走でこの3項目が身に付いているか否かで、目標である「リズミカルに走り越えること。」を評価していきます。

 しかし、これらの例示には、よく知られている「振り上げ足は、まっすぐ」「抜き足をたたんで」などは記載されていません。なぜでしょうか?

 平成10年版の学習指導要領では、ハードル走の目標は「その技能を身に付け…」とされ、「リズミカルに走り越える…」は、技能の例示でしかありませんでした。ハードル走で身に付ける「その技能」が何であるかは指導者に任されていたため、「振り上げ足」や「抜き足」も指導していたのです。

しかし、平成20年版からは、「リズミカル」そのものが目標となり、技能の具体的な状況が例示されるようになりました。陸上運動でのハードル走の技能指導の考え方が、ガラリと変わったのです。 

平成29年版の学習指導要領では「振り上げ足」「抜き足」ともに、中学校の陸上競技のハードル走の例示となっています。これらの技能は、陸上運動では直接のねらいとはしませんが、必要と考えた子供が個別最適な学びとしてチャレンジする可能性はあります。

ヒントは、週2回(月・金)アップロードされます。(令和4年4月1日現在)

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