自分のリズムと他者のペースの狭間に学びがある
自分一人で短縄を跳んでいるときには、自分の好きなリズムで跳ぶことができます。4年生までの学習内容である「用具を操作する運動(遊び)」では、短縄などの用具を操作することを通して、自分の体の動かし方のリズムをつかんでいきます。
5・6年生で学習する「巧な動きを高める運動」になると、用具の操作と自分の体のリズムから巧みな動きを磨くことに焦点が移ります。例えば短縄では、メトロノームの決められたペースで跳ぶような制限をかけると、それをクリアするための巧みな動き方を学ぶことになります。
つまり、自分のリズムだけで自由に跳んでいた学習は終わり、他者のペースに合わせられるようにする学習です。♩=60の場合であれば、短縄では「い~ち、に~い…」のように1回旋2跳躍がいいと気付きます。
♩=60を長縄にも活用すると、ちょうど、一人が1秒で跳ぶ計算で、グループでの8の字の連続跳びに挑戦することができます。長縄の回し手も勝手なリズムではなく、♩=60のペースに合わせなくてはならず、ここにも巧みな動きの要素が存在します。
また、巧みな動きを高める運動では、長縄の中に入って短縄を跳ぶという行い方に挑戦することもできます。好きなリズムで跳ぶ短縄とは違って、長縄のペースに合わせたリズムで短縄を跳ぶことになるので自分のリズムは崩れます。1年生が短縄を跳ぶ時のようなドタンドタンというようなぎこちない動きも、おそらく出現するでしょう。
それを仲間同士で互いに調整していくところにも巧みな動き作りが存在します。相手のペースに合わせる対話的学習が成立します。ただし、このとき♩=60のような制限は、難しすぎるので、やめておきます。