振り返りの視点は、授業のはじめに示しておく
友だちの「よい動き」を取り入れてほしいという指導者の願いがあると、つい、「友だちの動きをまねしよう」をねらいにしてしまったり、まねしたかどうかを評価の観点にしてしまったりします。
すると、子供は、振り返りのときに「〇〇さんのまねをしました。」とだけしか言わなくなります。「とにかく誰かのまねをすれば、先生が認めてくれる。」と思いながらの学習になるからです。しかし、これでは、真のねらいにそった学習になっていません。
学習の最後に振り返りの時間を確保しますが、あらかじめ振り返りの視点を示しておかないと見通しをもった学習ができず、めあてに対する意識が薄いまま学習が進むことになります。振り返るときにになって「あれ? なんだっけ?」となり、学習カードに書く時間もかかってしまいます。
「まねする」ことは、自分の動きをよりよくするための手段の一つですから、振り返りの視点は、「〇〇さんの、こういう動きをまねしてみました。こうやったらうまくできました。」というように、動きがどんな感じだったのかについてまで振り返らないと、次のめあてにつながる学びになりません。
「まねする」ことによる学習のねらいは、自分自身の動きへの気付きで、それを自分がどう解釈したのかということだからです。29年版の学習指導要領では「考えたことを友達に伝える」ことが求められており、その第一歩は、友達の動きを「まねする」ことから始まります。