子供にとって「よい授業」とは?

マネジメント・直接的指導,モニタリング・相互作用,教師行動指導者

ピーマンが嫌いならば食べなければ済みますが、体育が嫌いだからと言って学習しないことに逃げ込むことは許されていません。だからこそ、子供の立場から考えた「よい授業」の構想が必要になります。子供が「よい授業」と感じるような授業とはどんなものかを探ることができれば、この疑問は解決します。

体育科では、子供が運動に親しみ楽しめるようにすることが目標ですから、「子供自身の学習課題が達成され、成果が上がっている授業」が「よい授業」の条件になると考えられます。ならば、この条件をクリアする具体的な要素を考えればいいのですが、さて、何があるでしょうか。

運動を学ぶ教科なので、運動している時間は長い方がいいです。しかし、昭和52年版学習指導要領以降、それまでの体力重視から楽しさを重視するようになった体育では、ただ体を動かしている時間が長いだけでは意味がありません。子供が自分の学習課題から離れることなく運動している時間、これを確保することが重要になります。指導者が「今日は、〇〇をやります。」と示した課題に取り組んでいればOKという過去に見られた学習の流れでは、運動時間が長くても意味がないのです。

子供一人一人が自己の学習課題を明確に意識して運動に十分取り組めるような時間が確保されていることが、とりあえず「よい授業」の及第点に向かう第一歩でしょう。その中で、子供同士が主体的・協働的に学習に取り組めるよう、雰囲気のよい学習集団と肯定的な人間関係などが整っていることは、子供同士の励まし合いや伝え合い、準備・片付けなどの共同作業などが多く含まれる体育の学習では、大切な要素です。

もちろん、指導者が、学習課題を解決できるような学習環境を整えたり、多様な指導スタイルの中から子供の学習状況に応じてそれらを適用したりする授業力も要素としては欠かせません。ですが、これらの要素は、体育の授業に限らず、すべての授業の認められる条件とも言えますね。

ヒントは、週2回(月・金)アップロードされます。(令和4年4月1日現在)

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