人は、もともと学びたいはずだった

こども,子供のからだ,子供の学び学習指導要領,有能感,環境,発達

人が行動を起こすときは、必要感であるとか欠乏感などの要因があるはずです。例えば、のどが渇いているときには、「水を飲みに行く」という行動が引き起こされます。

多少がまんできれば、今、その行動をせず「休み時間になったら、水を飲む」となります。しかし、炎天下などの過酷ともいえるような条件下でのどが渇いているときは、休み時間まで待っていられません。そのため、指導者は、授業の途中でも水分補給を促すなどして熱中症の発症を事前に防止しています。

赤ちゃんも、おっぱいが欲しくなれば、泣きますが、泣いているとそのうち、ミルクを飲める状況になるからです。そうやって、「自分が泣けば欲求が充足される。」ことを認知します。おなかがすいているときにも同じ状況となるので、それは次第に確信に変わります。

そうなると、次に、赤ちゃんは、おなかがいっぱいでも「ちょっと、泣いてみようかな。どうなるかな?」とも思うのでしょうか、自分の周りの人や物に興味を示し、進んで関わろうとすることがあるというのです。

この行動を捉えて心理学者のホワイトは、環境によって行動が決まるとだけ考えられていたことが、それだけでは説明できないと考えました。そして、ホワイトは、人には、乳幼児期の段階からもともと環境・対象と効果的な相互作用をすることができる能力が潜在的に備わっていると考え、その能力を「コンピテンス」と呼びました。

人は最初からよくなりたい能力が備わっている、もともと学びたい生き物だという考え方です。学習指導要領改訂の基盤となったコンピテンシーです。

ヒントは、週2回(月・金)アップロードされます。(令和4年4月1日現在)

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