跳び箱は、高さだけでなくサイズも使い分ける
小学校で使う多くの跳び箱は、布張りをしてある1段目の高さが30cm、2段目以下はすべて10cmです。サイズの大きな違いは長さで、長いものでは80cm、短いものは60cmくらいです。跳び箱運動系の学習では、この長さの違いで整理すると、子供の課題に応じた場を設定することができます。
例えば、腰の位置を高くするため2台の跳び箱を連結するケースでは、踏み台のように使う側の跳び箱と着手する跳び箱の高低差が大事です。踏み台側の跳び箱は、踏み切り側の跳び箱ということにもなりますが、これを4段にして着手側を5段にすると、その差は10cm。踏み台3段と着手4段でも10cm差なので、この2つの違いは跳び箱そのものの高さだけになります。
着手側が4段の場合では、そのときの踏み台側が2段なら差は20cm、踏み台側1段なら30cmの差です。踏み台側1段と着手側5段の40cm差に挑戦できる選択肢となる場も入れておき、様々な場で自分の力で腰をある程度の高さに上げる動きを経験し、その動きの感じを身に付けられるようにしていきます。
これらの場は、開脚跳びでも台上前転でも使えますが、開脚跳びでは、着手側の跳び箱の長さが短い方が越えられない子供にとって安心感があります。踏み切りから着手までの体の使い方が分からないため、手前の方に着手できる短い跳び箱の方がいいのです。
一方、台上前転では、着手側の跳び箱が長い方がいいです。跳び箱が短いと腰のあたりまで回ったところで跳び箱の端っこになって落っこちてしまい、うまく着地に結びつけられないからです。なお、台上前転なら数枚積み上げたマットの上に跳び箱を頭の部分1段だけを乗せてもOKです。1枚5cmのマットを8枚重ねれば跳び箱5段と同じ高さです。横のマットの上に落ちても頭の1段分なので痛くありませんし、転がってから着地までの高さもキープできます。