本物の野球っぽくない規則でキックベースしよう

学習内容ベースボール型,ボール運動系,ルール,友達,思考力・判断力・表現力等

学習指導要領に「キックベース」という記載はありません。タグラグビーやプレルボールのような一般化されたスポーツの名称ではないからです。

「キックベース」は、ベースボール型ゲームに示される「攻める側がボールを蹴って行う易しいゲーム」の一つになります。ここでベースボールと聞いて「本物の野球っぽい規則」にしてしまうと、「走塁」がうまくできなくなるなどの問題点が生じます。

たとえば、本物の野球では、守備者がフライを捕ったのにランナーが捕るより前に走り出してしまうとアウトになってしまうルールがあります。このルールは、いつ走るのか、いつ走ってはいけないのかの判断が子供たちにとっては難しいです。そのため、このようなルールを規則として学習で取り上げない方がいいことになります。ベースボール型ゲームでは、できるだけ「本物の野球っぽくない規則」にすることが大きなポイントということです。

まず、「ランナーは、作らない」ことです。3年生では、打者が1塁まで行ければ1点、ホームまで往復できれば2点とするなど、易しい「走塁」の規則を子供たちが工夫できるようにします。蹴る力が付いてくる4年生なら、1塁1点、2塁2点…と、1周したらホームランになるような工夫もできます。

一方、守備者は、捕球と送球を繰り返すとエラーになりやすく楽しくなくなるので、「ボールを捕った場所にチーム全員が集まればアウト」のようにし、座った時点までの「走塁」を得点とします。こうなると、守備になった場合、どの辺りに位置取りをすればよいのか考えてみるようになります。相手の攻撃者によっては、後ろの方に守るなどの工夫も生まれてきます。

集まったどうかよくわからないときには、必ず得点でもめることになるので、「どうしたら、集まったことが分かるようになるかな?」と子供に委ねてみます。「集まったら『アウト!』って言うことにしようよ。」などの規則の工夫が子供たちの話題になるはずです。このとき、本物の野球のように「フライを直接捕ったときはアウト」というルールでは、打者も守備者も走らなくなってしまいます。そのため、「フライでもゴロでも、とにかく全員集まる」と規則を単純化して、易しいゲームを楽しめるようにします。

なお、単元の初めからガチガチに規則を提示してしまうと、学ぶ余地を子供から奪っていることになってしまいます。指導者は「子供たちが、規則を工夫したいって言わないんですよ。」と嘆くのですが、子供たちにとっては、「いまさら『工夫しなさい。』って言われても、ねえ…。」というカラクリになっているからなのです。

ヒントは、週2回(月・金)アップロードされます。(令和4年4月1日現在)

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