童謡「かわいいかくれんぼ」に見るひよこのメタ認知能力
こども,子供の学びメタ認知,主体的・対話的で深い学び,学習課題
ひよこは、今日も悩みながら、かくれんぼで遊んでいます。できなくても楽しいと感じているうちは、課題をつかんでそれを解決する方法を見付けようとしますが、行動と結果が伴わないことが続くと次第に無気力感が形成されていきます。
いくらがんばっても黄色いあんよを隠しきれない状況が続くと隠れ方を追究する気持ちはもはや低下し、最後には気が滅入ってやる気を失います。失敗という結果に対する認知は「かくれんぼができないのは、自分の運動能力が低いから」で、「そんな自分には、どうせやってもできない」と、運動嫌いになっていきます。
失敗の原因を能力不足に帰属させてしまったひよこの自己認識を改善することは難しくなるので、こうなる前に支援が必要となります。 自分が周りからどう思われているか、否定的な評価をされているのではないかと感じ始めると、自己の能力の高さを認められることに価値を置くため、課題に失敗する原因を自己の能力不足に求めてしまいます。
一生懸命練習しても、自己概念が未形成という別の要因でかくれんぼに繰り返し失敗しているひよこに「もっと、がんばろう。」と言うのは、ひよこに能力が無いと指摘していることになります。
逆にひよこが、他者から認められていると感じたり周りからサポートされたりしていると思える学習環境であれば、周りを気にせず、自己の学習の伸びに価値を置けるため、課題の失敗を自己の努力不足に帰属することができるのです。技能が低くても、かくれんぼで誰とでも楽しく遊んでいるひよこは、周りとのよい人間関係が築けていると言えます。
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