童謡「かわいいかくれんぼ」に見るひよこのメタ認知能力
こども,子供の学びメタ認知,主体的・対話的で深い学び,学習課題
「かくれんぼ」は、1・2年生の鬼遊びや、体つくり運動の中で伝承遊びとして扱えないこともありません。

体育の学習内容として扱うには適切とは言えない「かくれんぼ」でも、自分の体と他者意識をどの程度認識できているのかを測る指標とすることができます。
「かくれんぼ」は、鬼の「もういいかい」という問いかけに対して「もういいよ」と答えてしまう不思議な遊びです。音声の発信によって、およその存在位置を鬼に知らせているようなものだからです。
しかし、子供は「隠れる」ことそのものにおもしろさを感じている一方で「見つかりたい」期待感ももち合わせているので、このやりとりが成立します。「まあだだよ」と言える判断基準は、「自分から鬼が見えているが、鬼からはどうなのか」と疑っているからであり、「もういいよ」と言えるようになるときは、「鬼から自分の姿が見えていない」と確信をもったことになります。それは、鬼という他者から自己を見ることができるようになった瞬間です。
この「かくれんぼ」をひよこがやるとどうなるでしょうか。ひよこの場合、自分がじょうずに隠れたつもりで「もういいよ」と言ったにもかかわらず、「黄色いあんよが見えてるよ」と鬼から指摘を受けてしまいます。つまり、ひよこは自己中心的なものの見方しかできず、自己概念が形成されていないのです。
1・2年生も、他者の視点に立ったものの見方ができる脱中心化へ次第に移行していく時期なので、「きまりを守り誰とでも仲よく運動する」という内容が目標に示されているのです。
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