運動することを通して学んでいく発達の過程

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赤ちゃんは、誰からも教えてもらうことなく遊び始めます。

生後間もない頃は「感じ」る遊びが中心で、おしゃぶりを口で吸うときの「感じ」やものをつかもうとする「感じ」により、「世の中、いったい何が、どうなっているんだろう」と自分の身体で「感じ」ながら探究をひたすら楽しんでいます。これらは、遊びの第一歩と言えます。

その後、自分の力で「はいはい」をして移動したり、まわりの誰かから「高い高い」をされたりすることで、自分でバランスをとれる「感じ」も楽しみに加わります。

こうした「感じ」機能の向上に伴って、能動的に移動できる範囲が拡大します。「はいはい」よりも「よちよち」の方が断然難しく、「よちよちじゃ、ちっとも速く移動できないな」と分かっていても、「歩く」ことへの挑戦をやめません。

これは、立っての移動という行為から生まれる「感じ」自体を楽しみたいという本能的な欲求により発生する意欲と考えられます。ここまでは、自分の経験による過去の「感じ」との競い合いとも言えます。

移動する能力自体がある程度完成を迎えると、次に、その能力が他人より優れているかどうか比べたくなる「競い合い」が待っています。「競い合い」のためには相手が必要になり、自己の「感じ」だけでは遊びが成立しなくなるので、自分のやりたい遊びと相手の主張を一致させなければなりません。

時には相手のやる気を喚起するなど、対外的コミュニケーションの技術が少なからず求められようになります。また、ルールの概念や公平性の概念なども発生し、より文化的で社会的な意味合いが強い遊びになっていきます。

ヒントは、週2回(月・金)アップロードされます。(令和4年4月1日現在)

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