「楽しさ」という運動の特性を探る

こども,子供の学び,学習内容学習指導要領,指導者,知識,運動の特性

運動の「楽しさ」とは何かを考えることは、体育の目標と深い関係にあります。

すべり台を子供が楽しそうに何度も何度も繰り返し滑っている様子を目にしたことがあるでしょう。その子供にとっては、すべり台を滑る「楽しさ」もあれば、同じ動きを繰り返すことにも「楽しさ」を見出していると言えます。

グラウンドで汗だくになってボールを追いかけている子供は、溌溂としていて「楽しさ」を全身で味わっているように見えます。

体育科の目標には、「生涯にわたって豊かなスポーツライフを実現する」ため、「その特性に応じた各種の運動の行い方を理解する」とあります。これを受けて、各学年の目標には、例えば5・6年生の場合「各種の運動の楽しさや喜びを味わい」を「その行い方を理解する」ための前提として捉えています。

このようにして、それぞれの運動がもつ「楽しさ」という特性を学習内容として学習指導要領のなかで述べられているのです。この「楽しさ」は、ほかの学習では得られない運動それ自体がもつ「その特性」にことで、運動それ自体を学習することで得られるものです。

したがって、体育の授業をする上では、子供たちが、その運動の行い方を理解できるようにするために、その運動をすることによって得られる「楽しさ」が何なのかを知っておく必要があります。

例えば器械運動系であるならば、「様々な動きに取り組んだり、自己の能力に適した技や発展技に挑戦したりして技を身に付けたときに楽しさや喜びを味わうことができる運動である」となり、ボール運動系では「競い合う楽しさに触れたり、友達と力を合わせて競争する楽しさや喜びを味わったりすることができる運動である」となります。これを各学年の発達的特性に応じてアレンジしていくことになります。

ヒントは、週2回(月・金)アップロードされます。(令和4年4月1日現在)

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