見方・考え方を働かせることができるような学習過程

モニタリング・相互作用,子供の学び,教師行動学習指導要領,思考力・判断力・表現力等,指導者,見方・考え方,跳び箱遊び・跳び箱運動

各教科の目標に「見方・考え方を働かせ」と記載されています。「働かせ」ですから、「もともと持っている能力なのに無自覚な状態だから、これを活用できるようにする」という意味が込められています。

活用するためには、子供自身に「あれ? この勉強は、あの時やった方法が使えそうだな」と感じられることが欠かせません。表面的には異なる運動について学ぶときに「同じ原理が使えるのでは?」と思えるようになる、そのとき「見方・考え方を働かせる」ことができたと言えるのです。

例えば、跳び箱運動でICT機器を活用して動きのポイントと自分や友達の動きを照らし合わせたりしながら、主体的に課題解決していけるようにすることがあります。このとき「見方・考え方」は、どう働いているのでしょうか。

先生は、「友達同士で互いの動きをよく見ましょう」と指示しますが、このとき「何を見るのか」が子供の学びにとって重要です。映像からは「動きのかたち」しか情報提供されないので、「動きの感じ」を子供たちがどうやって捉えるかが問題なのです。「動きのかたち」は見えるので分かりますが「動きの感じ」は見えないからです。

台上前転をやっている友だちの映像を見たとき、自分の考えを友達に伝えることになりますが、ここで「手をちゃんと着いている」と表現した場面に出くわした時は、すかさず「『ちゃんと』って何?」という揺さぶりの発問が欠かせません。「ちゃんと」の捉え方は、一人一人違うからです。

子供たちは、ポジティブなイメージのある「ちゃんと」を使うことで済まそうとしています。そこに指導者としてはツッコミを入れることで、思考を促しつつ言語化していくようにします。

そのうち子供たちは、「ちゃんと」のようなあいまいな表現は避けるようになり、「ちゃんと」を「体の〇〇に〇〇のような感じで力を入れている」と表現できるようになっていきます。 資質・能力のうちの表現力が、身に付いてきたという評価もできるのです。

これは、ある意味、友達の動きを見たときの「見方・考え方」であると言えます。

このようにして無自覚な状態から働かせることができるようになった「見方・考え方」は、跳び箱の運動のほかの技を見るときだけでなく、マット運動の技を見るときにも活用できることに気付くので、身に付けた資質・能力を転移させながら学びを進めることができるようになるのです。

ヒントは、週2回(月・金)アップロードされます。(令和4年4月1日現在)

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