運動の図が、左から右に描かれる理由
一定の方向に移動していく運動の図の多くは、左から右に流れます。
文章が横書きなら図も左から見ていくとひとまとまりの動きとして把握できるようになっているのです。そのため、運動に関する図のほとんどは、左➡右に流れていくような構図になっています。
たちえば、このイラストは、どうでしょう。バックで走りながら箱を越えています。そう見えている人、いませんか?
後ろにジャンプして着手し、跳び箱を跳び越えています。でも、そんなふうには、見えないですね?
それらの図をこのように左右反転させても、バックで走っているようには見えませんし、跳び箱を逆向きに跳ぶなんて一流の体操選手でも考えられないので、そう見えません。
さて、下の2つは、いずれもマット運動の場面ですが、それぞれどんな技でしょう?
図A、図Bがあります。
どちらが前転でしょう?
それともどちらも後転なのでしょうか?
マットの図は、左右の構図をひっくり返すと、どちらに転がっているのか判別がつきません。「動きのかたち」しか見えない図では、逆再生が可能な運動とも言えるのですが、実際には前転と後転で力を入れる方向やそのタイミングに違いはあるはずです。
ちなみに、図Aが後転、図Bが前転です。