「多様~」のように楽しんでばかりはいられない「体の動き~」

マネジメント・直接的指導,学習内容,教師行動体の動きを高める運動,学習指導要領,学習課題

4年生までは基本的な動きを身に付ける「多様な動きをつくる運動(遊び)」ですが、5年生以降は体力を高めるための運動の行い方を学ぶ「体の動きを高める運動」になります。

「多様(遊び)」では、動きの「量的な獲得」、つまり、基本的な動きを多様に身に付けていくことを目的として、その結果、体力が養われることにつなげていきます。一方、「体の動き…」では、体力の向上が直接のねらいになります。このことから、指導者がその結果を早急に求めてしまい、トレーニングのようにすればいいという間違った認識を持ちやすくなっていました。

限られた体育の時間だけで体力の向上を図ることが難しいにもかかわらず、そのような授業に陥りがちになっていたのは、平成20年度版の学習指導要領まで「体力を高める運動」という名称だったことも一因です。 5・6年生の「体の動き…」では、反復練習による負荷をかけすぎたり、できない動きに挑戦させ続けて技能のつまずきを生じさせたりすることで、運動嫌いを生んではなりません。

単元の初めに行うオリエンテーションで体力の必要性を理解することから学習はスタートします。4年生までに身に付けてきた多様な動きを自分の体力に応じて、速さ、リズム、人数、方向など運動の行い方の条件を変えてもできるようにしていきます。つまり、質的に高められるようにすることがめあてとなります。

「量的な獲得」をしてきた多様な動きの「質的な高まり」を実感し、それを体の動きの高まりとして捉え、体力向上を自ら実践できるようにしていきます。とは、言うものの、「多様(遊び)」から脱却することは、一朝一夕ではできず、運動することを楽しんでしまう5年生のころは、「必要を充足するために運動する」ことをなかなか意識できません。2学年間にわたって取り上げる理由も、このあたりにありそうです。

ヒントは、週2回(月・金)アップロードされます。(令和4年4月1日現在)

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