子供の学びと乖離しない「手立て」の組み立て方
授業の中で行われる「手立て」は、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善のために教員が起こす行動です。このことが、学習指導要領に示す目標である3つの資質・育成につながっていくものでなくてはなりません。
例えば「課題を見付ける」について、3つの資質・能力を主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善とをマトリックスに捉え直すことが考えられます。そのことで、「手立て」が独り歩きして子供の学びから乖離したものとならないようにします。そうしないと得てして、「手立て」だけの教材研究に陥り、学びの根幹となる資質・能力の育成が置き去りにされてしまうからです。
資質・能力で括ることによって、ダブルスタンダードにならないようにします。「資質・能力があって、主体的・対話的で深い学びがあって、個別最適な学びと協働的な学びを一体的にして、学校の教育目標もあって、教師としての願いもあって、どうすりゃいいの?」となることを避けます。
「課題を見付ける」ことに対する「手立て」としては、知識及び技能「考えを友達に伝えるときのスキル」「課題を具体化する工夫」「技能のポイントの明確化」など、思考力・判断力・表現力等では「課題を解決する方法の示唆」「練習方法の選択肢の提示」などが考えられます。また、学びに向かう力・人間性等では「友達との励まし方、友達の学びへの支え方」などを考えることができるでしょう。
3つの資質・能力をバランスよく育成するので、「課題を見付ける」という思考力・判断力・表現力等の内容について、知識及び技能、学びに向かう力・人間性等を総動員してそれらを活用し、深い学びに臨めるようにしていきます。