マットをじょうずに運べるようにするための仕掛け
マットの横には、通称「耳」と呼ばれるものがあり、「耳」一つに対して一人を原則とすると、たたみ一枚くらいのサイズなら4人で運ぶようになります。2つの「耳」に十分に手が届く上学年になったら、運ぶ人数を減らしても大丈夫です。

使わないときはじゃまなので、普段は壁に押し付けられて積まれているマットですが、その置き方ではいざ使いたいときに、すぐに運び出せません。
「マットを運んで来て。」と指示をして子供だけで運ばせようとすると、一人でずるずると引きずってしまう状況などが想定されます。そうなると、「だめ!」と叱りたくない指導者は、マットの運び方ができているかどうか確かめるため、マットが積んである近くにいなければならなくなります。
これでは、運んだマットがどこに置かれたのかの確認もできません。「マットを置く場所が違う!」とまた、イライラすることにもなります。
マットは、壁から子供一人が十分通れるくらいの隙間を空けて置いておきます。この隙間がないと、子供たちが「耳」を持つためのスペースに入り込めません。重ねて積んであるマットをずらすか、床に落とさなければならないので、うまく運ぼうとする前にふざける材料を与えてしまうようなものです。そのために、「耳」を持ちやすくする隙間が必要なのです。
1・2年生のうちに「一方通行」の運び方(片付けは、準備と逆の一方通行)を身に付けておけば、その後は6年生まで同じ方法でOKとなります。準備や片付けは子供の学習内容ですが、子供が準備や片付けをしやすいように環境を整えておくことは、指導者の役割です。