体育科では、必然的に課題解決型になるワケ
体育科では、パフォーマンスが見えやすい「技能」にだけ引っ張られる授業になりがちです。資質・能力として身に付けられるようにするのですから「技能」の向上は欠かせませんが、ただ「技能」さえできればいいという教科ではありません。
ハードル走のタイムがよかったというだけで「技能」がA評価とはなりませんし、遅かったことを理由としてC評価となるわけでもないです。「リズミカルに走り越える」ことが目標であって、「速く走る」ことは目標ではないからです。
「速いからA」と評価してしまうのは、指導者が勝手にイメージした「技能」の評価規準に偏った指導を無意識のうちにしてしまっているからです。子供は、「リズミカルに走り越える」ために、「知識」「思考~」「学びに~」などの資質・能力をフル活用しています。
「思考力、判断力、表現力等」は、大別すると「思考力、判断力」と「表現力」から構成されていると捉えることができます。「~を工夫する」「課題を見付ける」などが「思考力、判断力」の内容で、「表現力」では「~に伝える」が内容です。
また、「学びに向かう力、人間性等」の内容は、「進んで」「仲よく」「きまりを守って」「~を認める」「安全に気を付けて」などです。評価規準と内容の一致が見られるところに、ほかの教科には無い体育科の特徴があります。
つまり、体育科では、どの内容であっても「行い方を知り、友達と助け合って、練習を工夫しながら、動きができるようにする」という学習スタイルとならざるを得ません。このように、体育科においては、必然的に課題解決型の授業展開となります。