運動遊びの「研究経過」をカテゴライズする
1年生が初めて出会うマット遊び。「これからの勉強では、マットでどうやって遊ぶと楽しいかを研究してもらいます。」というような単元のねらいを提示します。子供たちは、おそらく「研究」という言葉に反応します。
子供たちに「さて、どうやって遊びますか?」と問いかけることになりますが、ここでは、「マットを使った運動遊び」が内容です。表向きは、「自由に遊んでいい」こととしておきますが、「マットにくるまって遊ぶ」ことや「マットの上でなわとびをして遊ぶ」という発想の遊び方は、アウトになります。「マットを使った運動遊び」の遊び方としては「転がる」か「逆さまになる」ことを研究する内容として、マット遊びはスタートしていきます。
マットを体育館じゅうに敷き詰めたら子供たちは、いろいろな「転がる」や「逆さま」へチャレンジしていきます。大人から見て「何をやっているんだろう。」と思えるような遊び方でも、ここではいったん、黙認です。ここには、「個別最適な学び」のような展開が見られるはずです。 そもそも「研究」ですから、当然「個別最適な学び」になります。
子供の様子を見ながら区切りがよさそうな頃を見計らって、それまでの「個別最適な学び」の時間から「協働的な学び」の時間に切り替えます。「みなさんの研究している遊び方には、転がる方法にパターンがあるように思うんですよ。」などと研究の経過に探りを入れます。
そこで「前の方に、こうやったとき、〇〇な感じでした。」などの動きを引き出して、「私は、後ろに転がるにはどうやったらいいのか研究しました。」「じゃ、やってみてください。」など、「前」以外の「後ろ」「横」など転がる方向にカテゴライズしていきます。
「後ろに転がろうとしたけど、倒れて横になっちゃったときは、どうしたらいいですか?」などの疑問が出たら、「後ろのままで終われるようにどうしたらいいか研究してみたらどうですか? ほかの人もどうでしょう?」と子供に切り返し、次の「個別最適な学び」の時間につなげていきます。