ボールを持たないときの動きをゲームに生かす
ボールを使ってゲームをしているとき、ボールを保持しているプレーヤーは一人だけです。例えばサッカーの場合、両チーム合わせて21人はボールを保持していません。
チームの仲間がボールを保持しているときは、自分がどう動いてパスをもらうかが攻撃側の課題となり、相手チームがボールを保持しているときは、ボールを奪い返すためにどこでパスをカットするかという守備側の動きが課題となります。平成20年に改定された学習指導要領から、それまでの「ボール操作」に「ボールを持たないときの動き」を新たに加えたかたちで、技能が構成されました。
「ボールを持たないときの動き」は、3・4年生のゴール型ゲームの場合、「ボール保持者と自分の間に守る者がいないように移動すること」を指導します。
しかし、プレイする人数が多いとせっかく移動しても自分との間に守備者がいない=パスを受けられる=状態にならないので、4人対4人程度の少人数とし、少しの移動で守備者がいないスペースを見付けられるようなゲームにします。また、守備側の人数を減らすなど攻撃側が有利な規則にして、パスが通りやすいゲームにする方法もあります。
なお、守備側の「ボールを持たないときの動き」は、主に5・6年生の学習内容です。ボールを操作する技能が難しいのに比べて相手の邪魔さえすればよい守備側の動きの方が、1・2年生での鬼遊びの経験を生かして簡単に応用できるからです。