「今、体育で何を勉強しているの?」
子供に「今、算数で何を勉強してるの?」ときくと、2年生は「九九」、4年生は「面積」と答え、6年生は「分数の割り算」というように様々な答えが返ってきます。
これらの学習ではそれぞれかけ算を使いますが、扱う教材によって学習の目標が明確なので、具体的に何を学習しているのか分かります。単元名が違うので、学習する内容も想像しやすいと言えます。
では、「今、体育で何を勉強してるの?」ときくとどうでしょう?
1年生が「跳び箱」と答えたかと思えば、3年生も「跳び箱」、5年生も「跳び箱」ということがあります。中学生や高校生に聞いても「跳び箱」という答えが返ってくることさえあります。
体育では「跳び箱」そのものを学ぶのでなく、「跳び箱」通して学ぶ内容が隠されているので、同じ「跳び箱」でも、目標や内容が違うのです。したがって、単純に1年生だから低い跳び箱、6年生だから高い跳び箱で…という話にはなりません。
子供に「ボールを投げて、捕る」ことを課題として提示すると、どの学年でも両手で投げたり片手で投げたり、途中で手を叩いてから捕ったりクルッと回転してから捕ったりする工夫が見られます。「多様な動きをつくる運動遊び」として扱う1・2年生では、膝で挟むようにして捕るというスーパープレイも生まれます。
しかし、5・6年生では「体の動きを高める運動」としての扱いとなるので、見た目は1・2年生と同じような行い方をしていても、タイミングやバランス、リズミカルな動きや力の入れ加減などを意識できるように支援する必要があります。そのことで、「動きの質の高まり」が実感でき、運動の必要性を理解できるようにします。