校庭には黒板がないが体育での板書は重要な機能がある
運動学習の場所には、黒板がないことが多いので、黒板代わりに何かを使って子供たちに視覚的な提示をする必要が生じます。
教室なら壁面などに学びの足跡を掲示することもできますが、校庭や体育館ではそうはいきません。体育館に板書できるような場所があっても、いつもそこに提示していたのでは、いちいち剥がしたり消したりしなくてはならなくなります。そこで、「クラス用の簡易なボード」が用意されていると、便利です。
そもそも、板書の機能を確かめてみると、大きくは、次のようなことが挙げられるでしょう。
- 指導者が指導のねらいを明示する。
- 子供たちが展開を把握できるようにする。
- 子供の交流や相互理解を促進する。
- 運動の行い方や動きのポイントなどを示す。
つまり、子供が主体的に学びを進められるようにする機能があるのです。
②や③の具体的な内容として、めあて、子供の発言や学習状況を取り上げた記述、学習の振り返りなどが挙げられます。めあてと振り返りは、指導のねらいに基づくとともに、単元を見通せるようにすることが大切で、めあてと振り返りの2つが対応していることが重要です。子供の学びの状況を取り上げる際も、子供の主体的な学びを促すようにします。
ただし、単元の最初から最後まで、なんでもかんでもべたべた掲示する必要はありません。そのときの子供の学びに必要な情報が何かを考えて板書していきます。
もし、子供が主体的に学べる状況になっていたなら、授業の展開に関する1時間の流れが見える資料は、すでに意味が薄いからです。掲示物をやたらと出すのは、指導者の自己満足です。