子供のつぶやき「あ・い・う・え・お」

子供の学び思考力・判断力・表現力等,指導者,評価

「あっ!」…何かに気付いて課題解決のゴールが見え始めたころに、よく発せられる言葉です。

「あっ、そうか! 分かった!」などと使われ、やる気満々な状態です。しかし、実際に分かっているのかどうか、また、できるのかどうか分からないので、指導する者としては「じゃ、もう少し続けてやってみたらどう?」という返しをしたくなりますが、やる気満々なのでしばらく放っておいて子供の自得に委ねることもあります。

「いいね」…友達の動きを見ているときに、よく聞かれる言葉です。友達が新たな工夫をしたり、うまい課題解決の方法を見付けたりしたとき「それ、いいね!」などと使っています。指導者としては、「『いいね』って、何がよかったの?」とツッコミを入れたくなります。言葉には発しなくても、友達をじーっと見ているようなときには、「見ていて、どう?」と思考を促したくなります。

「うん、うん」…何度かの成功体験を頭で納得したときにニンマリするなど、言葉でなく表情に表れることがあるので、指導者的には要注意です。自己の学習課題の解が見つかった時だからです。自分の動きがうまくいったような感じが確信に変わって「うん。これだ!」となったときに、このような表情をするので、「いま、どんな感じがした?」と体で感じたことを言語化できるように支援したくなります。

「えっ?」…少し考えて工夫すればできそうなヒントを伝えて「どうしようかな?」「それも、面白そうだな」と子供が思うように仕掛けたときに、この言葉が返ってきたら、しめたものです。運動中に「えっ?」が聞こえてきたら、すかさず、「何、何?」と知りたがっているふりをして子供たちの輪に入り、「ふ~ん」「それ、いいかも」などをとぼけて「まあ、やってみたら」と言いたくなります。

「お~」…自分で気付いたことが、もしかしてこれでいいのではないかとスッキリしそうなときに、「お~、これか~」などとして、この言葉が出ます。暗中模索の初期段階では「おっ? これか?」とも言います。このとき、見た目では動きが「できていない」ように見えても、本人が「できそうな気がした」と感じたであろう瞬間になるので、指導者としてはそれを逃さず捉えることが大事です。 「ん? いまの、いい感じだったんでしょ?」などとかかわってあげたくなります。

学びの道筋としては、「えっ?」→「いいね」→「あっ!」→「お~」→「うん、うん」となるような感じがしますが、子供の学びは、そんなの単純ではないでしょうか。

ヒントは、週2回(月・金)アップロードされます。(令和4年4月1日現在)

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