めあて学習によって深い学びは、より深い学びになる
めあて学習では、めあてに向かって黙々と取り組むのではなく、「行ったり来たりする」という活動も容認することで、初めて成立します。運動との出会いから、「おもしろそうだ」「できそうな気がする」から始まり、将来、できるであろう「なりたい自分」の姿をイメージしつつ「やってみよう」とトライし、十分楽しみながら自己の学習課題を豊かにしていくというプロセスが大切だからです。
そこに学びのスタートとしての主体的な姿を見ることができるはずですが、ここで自分の学習課題を見出せるかどうかが、その後の学習を主体的に進められるためのカギを握っていることになります。子供自身に学習の動機付けがないのに主体的な学びは成立しないからです。
めあて学習は、自分の学習課題を解決していくために「自分は、どうするのか」を自己決定しないことには前に進みません。周りから「今日は、踏み切り足を合わせる練習をやってみたら、どう?」と言われてから学習をスタートするのでは、主体的な学びとは言えません。
仮に、そのようにアドバイスを受けたとしたとしても、「踏み切り足を合わせるためには、どうしたらいいのだろう」と自ら行い方を考えることもあるでしょう。また、対話的な学びによっていろいろな場や資料をもとにして仲間とともにかかわり合いをもちながら試行錯誤したりすることもできます。いずれにしても、自分の学習課題の解決に近付けていこうとする学びであるならば、主体的に学びを進めているのでOKです。
そして、このような学習ができるような環境を指導者が整えていくことで、子供自身が「楽しくなってきた」「できるようになった」「うまくなってきた」という有能感に至るまでの深い学びへのプロセスも、めあて学習の特徴となります。深い学びが、深い学びたるには、子供が自分でめあてをもって学べるようにする教師行動が欠かせません。