「学び方」を学ぶことで、自ら課題解決ができるようにする

子供の学び,学習内容学習指導要領,学習課題,思考力・判断力・表現力等

体育の学習内容に「運動の課題」が初めて登場したのは、総合的な学習の時間が新設された平成10年版の学習指導要領からです。

このとき、総合的な学習の時間のねらいは、「自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、よりよく問題を解決する資質や能力を育てる」と示され、まるで、「主体的・対話的で深い学び」のようです。また、「学び方やものの考え方を身に付け」との記載もあり、「見方・考え方」の原点を見るような気がします。

平成10年版以前は、「運動」と「態度」の2つから体育科の内容は構成されていました。「運動に親しませる」というように使役動詞が使われていた時代です。英語で表現するならば、Teacher MAKES/LETS kids enjoy exercise.でしょう。運動に親しませて楽しく明るい生活を営む態度を育てることが目標でした。

しかし、平成10年版からは、「運動に親しむ資質や能力を育てる」という言葉が目標に入り、新たな学習内容として「学び方」が加わりました。「運動に親しませる」という使役の表現は消え、子供が自ら運動に親しめるようにするために資質・能力を育てていくことが目標となったのです。Kids ENJOY exercise.です。子供が主語になりました。

ある運動に親しめるようになるということは、その運動の楽しさや喜びを経験することにほかなりません。つまり、運動の特性をどのようにして子供たちが自ら求めていくのか、その課題解決の方法を学んで身に付ける必要があったのです。それが「学び方」でした。

この「学び方」は、平成20年版の学習指導要領では「思考・判断」となり、平成29年版の「思考力・判断力・表現力等」にその趣旨は引き継がれています。

ヒントは、週2回(月・金)アップロードされます。(令和4年4月1日現在)

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