なぜ、今だに学校で「なわとびの級」が存在しているのか

モニタリング・相互作用,子供の学び学習指導要領,技能,用具を操作する運動

「なわ跳びの級」 皆さんが子供の頃にも、ありましたか? 両足跳びで10回できたら10級、二重跳びが5回できたら3級というような進級表です。

技能を向上させるための目標となるだけでなく、休み時間に取り組んでもよいし、級に合格するか否かの自己評価ができるので、子供に運動させるのには重宝です。しかし、「なわ跳びの級」は、昭和43年版以前の学習指導要領の趣旨に則って作られた名残と考えられます。

その時代の体育学習は、運動することが楽しいかどうかは別として「運動を適切に行わせることで体力を向上させる」という考え方でした。縄跳びイコール体力づくりというイメージの時代だったので、進級表を子供に与えるだけで指導を放棄しているような実践も見られたわけです。

ところが、昭和52年版の学習指導要領以降は、「運動することを楽しんで運動に親しむ」ことが体育学習の目標に変わったため、5・6年生の体力を高める運動(平成29年版からは『体の動きを高める運動』)を除いて、「なわとびの級」にチャレンジさせるだけで構成された授業では、学習としては成立せず不十分ということになりました。

1・2年生の用具を操作する運動遊びでは、なわや輪、ボールなどの用具で遊びながら自分の体の使い方を身に付けていきます。なわでは、一廻旋二跳躍(「いーち、にーい、さーん…」というリズム)であっても、いろいろな回し方や跳び方のレパートリーを広げ、それぞれ少しずつでも跳べるように展開していきます。

その後、たとえば「2人で1本のなわを使って、どんな跳び方ができるかな」など、バリエーションが広がるような投げかけもしていきます。 なお、3・4年生では、このような跳び方を体ほぐしの運動などで取り上げていくこともできます。

ヒントは、週2回(月・金)アップロードされます。(令和4年4月1日現在)

最新ヒントのメール配信をご希望の方は、こちらから登録できます。