体育科では「準備と片付け」が指導すべき内容に位置付けられている
体育で準備する物の中には、跳び箱のように一人で運べないような物もあります。また、手軽に使える多くの用具は体育倉庫にしまわれています。
子供が授業で使う簡易な物は、子供が自分たちで準備しやすいような場所に分かりやすく保管しておくことが大切です。自分たちが学習するために必要な物を自分たちで用意することは、主体的な学びの具体的な学習状況と言えるからです。
体育では、友達と一緒に使ったり交代で使ったりする物も多くあるので、そこから「今日は、リレーだからバトンとコーンが必要だ。」という思考を通して、安全に気を付けながら自分たちで準備できるようにしていきます。前時までの学習場面が頭に入っていれば、カラーコーンは朝礼台の横に出されるだけにとどまらず、コーナーやバトンゾーンに置かれるはずです。
単元の後半には、いちいち指示しなくとも、いつもの場所にいつもの物を置いておく準備ができるようにしていきます。準備が終われば、自分たちで、チームのリレーの練習も始められます。
このような学習の場や用具などの準備は、体育の学習内容の一つとして位置付けられています。29年版の学習指導要領では、学びに向かう力・人間性等の中で、それ以前は、態度の内容として解説レベルで示されていました。「用具などの準備や片付けを、友達と一緒にする」態度を身に付けながら、学習は進んでいきます。
準備や片付けを指導事項としているのは体育だけで、これは体育が仲間と学習することを前提にしているからです。指導事項であるからこそ「周りの友達に声をかけて跳び箱の片付けをしていました」という評価も成立することになります。